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drone trip in Hong Kong

香港一泊二日の出張が入った。

時間がタイトな事もありdroneを持って行く予定はなかったのだが
直前で思い直し車のトランクに入れっぱなしだったアルミケースを
持って短い旅に出た。

今回の出張のアポイント先は香港島などの所謂高層ビル街ではなく
郊外だ。そのためアポイント先の利便性を考え将軍澳駅のクラウンプラザホテルを
予約していた
空港のラウンジでホテルの近くでドローンを飛ばせる場所がないかと
ネットで調べてみるとかなり詳細な情報が見つかった。
有名なドローンのフライトスポットらしい。
さすがドローン最大手DJIが近いだけのことはある。

4時過ぎにチェックインし5時位にホテルをでた。
まだ明るいので1時間位は楽しめそうだ。
ネットで調べたポイントまではホテルから徒歩10分ほど。
海沿いなのでロケーションも楽しみである。

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しかしホテルから出てスポットに向けて歩いて行くと
多くの建設中の高層マンションが。
そして道には多くのトラックが停まっている。
日曜日なのか夕方だからなのか工事が行われている
様子はないがネットで調べた場所とは明らかに風景が
変わっている。

建設中の高層ビル群の中心に空き地があるのだが周りがフェンスで囲まれており
ここも今後何かしら開発予定があるような佇まいだ。
ドローンを飛ばせるかどうか不安だったがわざわざ持ってきたのだと思い
フェンスの奥側まで歩くことにした。
フェンスの奥にスペースがあればそこで少しは飛ばせるだろう。

フェンスの奥まで残り半分のところまで歩いた時、
上空に何かが見えた。
空を見上げると、
複数のドローンが飛んでるではないか!
しかし飛んでいるのはフェンスの中だ。
フェンスの外から飛ばしているのかとフェンスの中を覗き込むと
ドローンのコントローラを持っている人たちの姿がみえる。
しかも数名ではなく20名近い人がフェンスの中でドローンを
飛ばして楽しんでいる。
日本で見たことの無い光景に興奮したせいか歩くペースが
心なしか早まる。

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フェンスの奥まで到達しフェンス沿いに右に曲がると
ドローンギークたちの車が10台ほど停まっている。
そのうち一台はワンボックスカーで色々なパーツが
積んでありその場で修理も出来るようにしている。
僕は学生時代ウインドサーフィンをやっていたのだが
まるでウインドサーファーの車の様だ。
ウインドサーファーの車は風のコンディションにあわせて
複数のボードとセールと様々な道具がつんである。
もちろん修理道具は必須アイテムだ。

それらの車を見ながらフェンスの入り口を探していると
あった。
フェンスを破ったワイルドな入り口が。

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幾つになってもこのような入り口を見ると興奮してしまう。
タブーを侵しているような感覚が興奮が生むのだと思う。

早速先客の邪魔にならない場所に移動しドローンをケースから出して
準備をしていると香港人のおじさんに
「それはparrotか?」
と聞かれた。
そうだと答えると
「バーションは幾つなのだ?」
とさらに聞いてくる。
DJIのお膝元の香港ではフランス生まれのparrotは珍しいのかも
しれない。
そしてその辺にいるような風貌のおじさんからそのような質問
があったことに感動した。
日本では数日前に首相官邸でドローンが見つかり大騒ぎになっている。
えらい違いだなと思った。
香港では普通のおじさんが日曜日の午後にドローンを
飛ばして楽しんでいるのだ。
他にも親子づれでドローンを楽しんでいる人もいた。
普通の日曜日の公園のような風景だ。

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このポイントはかなりのスペースがありしかも周りにフェンスと
ドローン仲間が大勢いる。
これは意外に重要でなんの気兼ねもなくドローンを飛ばせる最高の
環境だと思う。
初めての場所は緊張するものだがそんなものはまったく必要がない。
海の近くだが海沿いも新しいマンションの建設準備が進んでおり
海風が遮られるようで風の影響はあまり感じなかった。
しかも周りに建設中の高層マンションに囲まれている立地は
空撮するのも楽しめると思う。
建設中の高層ビル群の真ん中にあるフェンスで囲まれた空き地で
ドローンを飛ばす体験は変な言い方だが時空が歪んでいるような
不思議な感覚を感じた。

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ドローンをしまいホテルまでの道を歩いている間も
フェンスの中で感じていた不思議な感覚が続いていた。

バッテリーも無くなり周りの人が帰り支度をしている時に
小学生の頃空き地で夢中で遊んでいて気がつくとと周りが
暗くなっており急いで家路に帰った記憶が蘇った。
幼少時の記憶と不動産の高騰で郊外まで高層ビルの建設ラッシュ
が始まった香港とそのビルの間を飛んでいるドローン。

僕が感じている不思議な感覚は幾つかの異なる時代が同じ空間に
同居しているような錯覚がもたらしたものなのかもしれない
と最後に一台だけ空き地の上空を独占しているドローンを
見上げながら思った。

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